冴島さん=主人公になれた理由はこれだ!
実は、第二部は「龍が如くスタジオ」が問題提起したストーリーだと思います。
冴島さんが主人公になってはいけない、
法的に違法行為が行われているのに疑問を感じるか否か
そういった事をプレイヤーがしっかり認識してくれているのか?
その為のストーリーであったと思います。
結果として龍が如く0が、私にとって
「大人のためのゲーム」から「大人になるためのゲーム」になった
寂しさを感じた要因の一つでは?と思えるストーリーでした。
龍が如くのナンバリングタイトルのコンセプトの一つは
発売した年に犯罪者や反社会的人物を主人公にしないです。
その上で、
できるだけ現実世界に沿ったゲームにする=リアリティの追求
が、全ての龍が如くナンバリングタイトルでの重要な軸として
存在させようとしてるのも龍が如くの魅力だと思います。
これはゲーム内にある実際の店舗や会社、
所謂タイアップ企業にとっては「犯罪者や反社会的な人物が主人公」では
タイアップする意味はない、
倫理的に間違っている作品への間違った参加です。
一企業として配慮が欠けた作品に対してのタイアップになってしまいます。
このコンセプトが根底にあるので、キャラクター投票1位の
真島さんの最初の主役登場は、あくまでファンタジーな
龍が如く END OF THE ENDからの登場です。
龍が如く4では冴島さんはあくまで
副総監という現実世界では存在しない役職
その副総監が建てた沖縄第2刑務所という名の私的な施設
そこから脱獄したのではなく、脱出。
そして犯罪が殺人罪ではなかった事で、罪の清算は終わっているので
主人公として参加。
谷村さんは神室署という架空の警察所の刑事だから主人公として参加。
龍が如く0では、発売の年=ゲームでの年が
違う為、そして龍が如く6に一定の方針が固まった為、
桐生さんが極道社会の人間なのに主人公になれました。
(武器の売買も可能になっています。)
では、今作の龍が如く5ではどのようになっているのでしょうか?
男性主人公は「過去に罪を被った事をした」人間として
桐生さん、秋山さん、品田さんが主人公として参加。
遥さんは、現実世界がどう捉えるかわからないような過去(法的な罪?)を持たせる為に主人公に抜擢されています。
第二部の冴島さんは・・・逮捕前にプレイできてしまっています。
1プレイ目で私はがっかりしました。
龍が如く4でしっかりさせた軸を破る行為、タイアップ企業に失礼だと。
各企業さんにとっても犯罪者が主人公の作品にタイアップするのは
とてもイメージアップに繋がると思えないでしょう。
メモリーズでも逮捕される冴島さんを確認できます。
しかし、第二部は2年前の冴島さんが主人公。
そして第一章が始まるのは実際に捕まって
刑務所に入って罪を償っている所から始まります。
メモリーズでは第一章のカテゴリー内に
ムービーシーンが納められていますが
ゲーム進行では第一章が「ほわ~ん」という音と共に表示され
その後に第一章のムービーシーン「雪に閉ざされた場所」が表示されます。
つまり第二部にだけ第一章との間に
隠れたプロローグ
が存在していた事になります。
私は2周目のプレイでやっと確認がとれてスッキリしました。
今作が発売された年=収監されて罪を償っている人間=主人公としてプレイできます。
その後、刑務所から脱獄ではなく脱出します。
ここでのキーマンは高坂さんという副所長さんです。
実は、副所長という役職は現実世界の刑務所には存在しない役職です。
所長の下は各部署の部長が正式な刑務所の役職配置になります。
そして存在しない役職だからこそ、超法規的措置という事もできました。
超法規的措置=法治国家で政府などの最高責任を執る事ができる行為です。
乱暴に説明すると
法で決めた事柄を最高責任機関が緊急事態の為に仕方なく破る事・・・と
いった事です。
ここでは冴島さんと馬場さんの命が危ない為、仕方なく
副所長という架空の存在が超法規的措置を実行できました。
(高坂さん自身も脱出という言葉を口にしてます。)
だからこそ、月見野の町に出て、各タイアップ企業の店舗を利用できます。
そしてもう一つ、プレイヤーが疑問に思うべき所があります。
それは第一部と第二部のアナザードラマです。
第一部は公道をレース場にしていいのか?ですが、ここでは
第二部にスポットをあてます。
- 冴島さんが資格も無いのに猟銃を手にする事。
- 奥寺さんの過去に対して法が執行されていない事。
- 村単位で奥寺さんを法から守っている違法行為の事。
- 冴島さんの事を通報しない行為の事。
今作の冴島さんは戦闘でファンタジーすぎる事をします。
地面を叩いて敵を撃退、人の手で動かせないだろうパイプを動かし敵撃退。
ここら辺を現実感がないと指摘した言葉は多数見ましたが
もう一つの現実感=法律に問題提起した文言は私が色んなサイトを見た限り、
かなり少なかったです。
冴島さん=主人公の意図はたぶんですが、
冴島さんの主人公として不向きだと考え、
刑務所という場所や、法律等をプレイヤーさん達が調べて
見直して欲しい、刑務所という場所が怖いと感じて欲しい
だと思います。
刑務所という場所がどんなに辛い所か?の表現だと思うのですが、
私は、冴島さん=主人公になれた事の仕掛け
- 隠れたプロローグを用意した事。
- 高坂さんという存在、でも副所長という架空の存在。
- その高坂さんだから出せた超法規的措置の執行。
これはとても現実感、リアリティーを追求する為の仕掛けで、
騙された!と気持ちよく思えました。
しかし、しょせんはゲーム!という感覚だけで
人を簡単に殺すような戦争ゲームが大嫌いです。
だからある会社のスネーク系のゲームは大好きです。
「戦争を表現する事で、戦争を否定する」ゲームだからです。
龍が如くも「暴力を表現する事で、暴力を否定する」ゲームであるから
そこに魅力を感じますし、法律の重要性にも重点が注がれている気がします。
だからタイアップ企業も安心して参加してくれているとも思います。
今作の龍が如く5での新しい暴力表現のみ注目され、
それ以外おざなりのプレイヤーさんが多いのは、少し寂しいと感じました。